民主党も上手だなぁ。揮発油税の暫定税率問題について。

民主党が解散総選挙対策として、いよいよ大きな爆弾を投下する模様。まずはソースを。

民主党は7日、一般財源化を主張している道路特定財源の揮発油税(ガソリン税)や自動車重量税の上乗せ税率(暫定税率)の撤廃を、今月中旬にまとめる党税制改革大綱に盛り込む方針を固めた。これまでガソリン税は暫定税率維持を主張していたが、原油高騰を理由に方針を転換。今後10年間の暫定税率維持を決めた政府・与党と真っ向から対立する構図となった。民主党は、暫定税率に照準を合わせて解散・総選挙に追い込む戦略を描いており、来年1月召集の通常国会は、道路特定財源をめぐる与野党攻防が激化しそうだ。

参院は与野党の勢力が逆転しており、政府案の成立には衆院での再議決が必要になる。民主党が参院で採決に応じず成立しないまま年度をまたいだ場合、自動的に暫定税率が切れることになる。

7日朝の民主党税制調査会の役員会では、1リットルあたり約54円課税されているガソリン税について、暫定税率の撤廃で上乗せ分約25円をなくし、本来の約29円に戻すことを確認。同党は通常国会に道路特定財源の廃止法案を提出する。

ただ、財源確保のため上乗せ分の半分程度を復活し、地方財源に充てる案も浮上。将来的にはガソリン税を廃止し、「地球温暖化対策税」(仮称)に置き換え一般財源化する方針。自動車重量税も暫定税率を撤廃し、自動車所有にかかる地方税の自動車税と統合する考えだ。

asahi.com:ガソリン税上乗せ、民主は「撤廃」 党税制大綱に明記へより全文引用

まず、最初に考えなければならないことは、そもそも「暫定税率」とは何なのかということ。これは、Wikipedia にとても明快な解説があったので引用させてもらいます。

石油ガス税を除くほとんどの税目において、本則税率(本来の税率)のおよそ2倍の暫定税率が適用されている。これは、昭和48~52年度の道路整備五ヵ年計画の財源不足に対応するために、昭和49年度から2年間の「暫定措置」として実施された揮発油税、地方道路税、自動車取得税、自動車重量税の税率引き上げ(軽油引取税は昭和51年から)が期間延長を重ねているものである。以降、道路整備五ヵ年計画が延長されるたびに若干の見直しを行いつつ「暫定」税率は租税特別措置法を期間延長改正で続けられている。但し、2007年度末には期限切れだが、衆参がねじれ国会であり状況は流動的である。

Wikipedia:道路特定財源制度より引用

要するに、期間限定で税率を引き上げる措置を「延長する」という法律上のトリックにより(ただしその決定権のある国会議員は私たち国民が選んでます)、ずるずると今日まで暫定的に延長されてきたということです。しかも、1リットルあたりにして約25円。本則の税額の倍額を30年以上も負担させられてきたという実態です。さらに、問題点としてはこれだけではありません。ただでさえ高額なガソリン税ですが、それに加えて消費税まで加算されていますよね。しかも、ガソリン自体の価格にガソリン税を含めた総額に対して5%(これには理由もありますがここでは割愛)。さらに言うと、ガソリン自体の価格だと思わされている中には原油関税と石油税が石油卸売企業のコストという形で含まれているとも言えますから、ガソリンに含まれている税金という言い方をしてしまえば、それこそ本来の価格の半分近くは税金じゃねーのか、という話になってくるわけです。

で、前段が長くなりましたが、とにかくそんな受益者負担という名の大義名分の傘を被ったガソリン税にメスを入れようという話です。これまではとかく「一般財源化」の話ばかりで暫定税率の廃止論(というか、延長をしないという方が正しい)はあまり出てこなかったんですがね。庶民にとっては最高に好ましい話です。

ただし。この話にはなにやら裏がありそうです。というのは、この提案をしている党が民主党だということ。政権与党ではなく、次期総選挙での政権交代を虎視眈々と狙っている民主党が提案しているというところに壮大なオチがつきます。

ガソリンの価格高騰に歯止めがかからず、国民が大変な苦労を強いられているこのタイミングで

ガソリン安くしまっせー

と言われれば、誰だって「民主党マンセー」となるはずです。しかも、民主党は参議院選挙の際のマニフェストに「高速道路料金無料化」という言葉まで並べてました。どういうことかというと、国民ウケのよい言葉を並べて、一見すると自民党こそが(公明党なんて論外)諸悪の原因であるというシナリオを仕立て上げ、自らがとにかく与党になることが目標なんです。なので、誰もが予想することである

じゃあ不足する財源はどうするの?

という部分は後回しです。結局、与党になった期間(一期かもしれん)のツケを、後々自民党が舌打ちをしながら、現状に輪をかけた増税という形で消化していくことになるんじゃないか。そして、それは自民党が舌打ちをする以前に、国民が舌打ちをしながら消化していくことになるんじゃないでしょうか。逆に言えば「民主党も上手だなぁ」と思いますが、僕たち庶民には何が正しくて何が間違っているのかという判断がとても難しいということだけははっきりと言えます。もしかして不要な税金を払わされてきたのか。一部の人間(道路族)にとって都合のよいだけのものなのか。この辺をきちっと整理しなければ、民主党の爆弾を回避するのは難しいなと思うんです。

1個のコメント

  1. 20080331 に投稿 | パーマリンク

    暫定税率期限切れを目前に思うこと

    僕が昨年12月に書いた「民主党も上手だなぁ。揮発油税の暫定税率問題について。」というエントリーは、昨今の混乱ぶりを背景としておかげさまで沢山のアクセス数を…

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